| 「インド人もビックリ!数学の楽しさを満喫する10冊」2007 日本全国で「数学人口」はどのくらいだろうか。学校では誰もがそれなりに数学に触れるが、ほとんどの人は高校を卒業するころにはチンプンカンプン(文系人間としてはそう信じたい!)。大学で数学をさらに学んだり、ましてや社会人になってもあんな面倒なものを楽しんだりしている人たちは、本当に少ないのではないか(と信じたい!)。だけど、そんな文系人間でも、よい書き手にめぐり合えれば、「数学をめぐる話」は実におもしろい。ここには、そんな分かりやすさ(&おもしろさ)折り紙つきのものばかり十冊集めてみました。 |
| 『魔術から数学へ』 森毅 講談社学術文庫 ¥840 |
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『無限の果てに何があるか』 足立恒雄 知恵の森文庫 ¥533 |
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| 最初から身も蓋もないことを言うようだが、これは数学についての本ではない。むしろ歴史の本だ。それも数学史というよりはヨーロッパ思想史といった趣。前書きによれば『数式のいらない数学入門』というタイトルで本を書いて欲しいと出版社から頼まれて書いたとのことだが、それでこういう本ができ上がってしまうところが、懐が深いというべきか、余裕しゃくしゃくというべきか、著者の面目躍如たるところ。話題は変幻自在。コペルニクスの地動説に「ゾロアスター系の太陽信仰の影響を見る考えすらある」とか、ケプラーの研究は大部分が占星術師としてのケプラーの「夢想」で「千ものインチキの中に三つだけすばらしいもの」(ケプラーの三法則)があり、「そこに目をつけたところがニュートンの偉いところ、といったヘンな誉め方もある」などと、エッと思うようなことをチラっと言って次に移ったりするので読む方も気が抜けないのだ。 近藤(新松戸店) |
1+1はなぜ2なのか? こう訊かれたら、あなたはなんと答えるだろうか。一本の鉛筆と一本の鉛筆を合わせると二本になるから、などというのは私のような純正文系人間の答え。数学の命題として「1+1=2」とはどういうことを考えるには、まず「1」とは何か、自然数とは何か、「足す」をどう定義するか、から考えていかなくてはならない。そんなこと考えなくたって1+1は2に決まっているじゃないか、と思ったあなた、あなたには、この本は無用です。「そんなものどうやったら定義できるんだろう?」と、チラっとでも思ったあなた、あなたの前には未知のワンダーな世界が広がっています。冒頭の問いは、実は現代数学の根幹に大きく関わる問題につながっていく。読み進むにつれて、数学とは何か、私たちが学校で習った「数学」と、本当の数学はどう違うのか、だんだん分かってくる。こういうのを「蒙を啓かれる」というのだな。 近藤(新松戸店) |
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『心は孤独な数学者』 藤原正彦 新潮文庫 ¥460 |
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『フェルマーの最終定理』 サイモン・シン 新潮文庫 ¥781 |
| ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャン。憧れの数学者三人について氏が語った偉人伝。不勉強でお恥ずかしいことだが、本書を読むまでニュートンの名しか知りませんでした。なんと、ニュートンが万有引力の法則、微積分法、光のスペクトル分析を発見したのは、大学時代の二十代前半なのだとか。さらに大学教授、造幣局長官、国会議員、王立協会会長、ナイトの称号までもっていたという。読んでいて面白いのが、デカルト、ガリレオ、コペルニクスらと同時代人だということ。天才の変人エピソード、強い探究心、孤独な人生。そんな諸諸を知っていくと、遠い存在だった歴史上の学者たちがどんどん身近になってきました。最後にとても美しい一行を発見したのでここに紹介したい。 「信心深いニュートンにとって、自然は数学の言葉で書かれた聖書であった」 小峰(IY船橋店) |
一七世紀の数学者フェルマーが書き残した問題は『フェルマーの最終定理』と呼ばれ、その後三五〇年もの長きにわたって世界中の数学者たちの証明を拒み続けてきた。本書は、その世紀の難問に挑み、ついに完全な証明を手に入れたイギリスの数学者、アンドリュー・ワイルズの物語であり、また、フェルマーの最終定理にまつわる数学の一大歴史スペクタクルでもある。 個人的にここ数年、科学系読み物への関心が強くなり、そうした本を結構読んできたけれども、本書の面白さは群を抜いている。何よりワイルズをはじめ、フェルマーの最終定理に関った数学者たちが実に生き生きと描かれているのだ。その中にはワイルズの証明に大きく関係する二人の日本人数学者、谷村豊と志村五郎も含まれ、本書の一章が割かれている。ご存知でしたか。 池田(新松戸店) |
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『考える力をつける数学の本』 吉沢久子 集英社文庫 ¥514 |
『数学物語』 矢野健太郎 角川文庫 ¥357 |
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著者は九九年にベストセラー書籍『分数ができない大学生』で学力低下論議をまき起こした岡部恒治氏。ゆとり教育(著者によれば、実際にはゆとりのない教育)、さらに少子化による大学間競争が学生の学力低下を招いたと主張している。特に、自分で考え、判断するために必要な論理的思考能力が低下していると考えた著者が、社会人向けに作ったのが本書だ。
算術問題から幾何、論理パズルまで、さまざまな数学問題にクイズ感覚でチャレンジ。「脳トレ」がブームになっている今日、これもなかなか歯応えのある一冊としてオススメできます。 池田(新松戸店) |
数学が苦手だ。高校で挫折して以来、〈因数分解〉〈三角関数〉など遥か忘却の果てに追いやり、ちょっとした暗算すらもおぼつかないポンコツ頭脳を所有する身としては、このまま数学の魅力など永遠に理解する事はできぬであろう、と思っていた。この本に出会うまでは。早速本書を紐解いて数学の歴史を追ってみよう。まずは指を使っての勘定こそが数学の生まれた奇跡の第一歩であり、エジプト〜バビロニアで数字が生まれ、ピタゴラス、パスカル、デカルトなどの先人たちによって数学はその姿を自在に変えて発展していく。改めて数学の物語を追うと、それはあいまいな観念など微塵もない、れっきとした法則と定理、その証明の歴史である。言うまでも無いが1+1=2が3に変わることなど永遠にありえない。そんな断定の魅力が数学にはあるのだ。その魅力を丹念に伝える本書もまた偉大なる名著である。 日野(八千代台店) |
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『知っているようで知らない「数学」の雑学』 日本博学倶楽部 PHP文庫 ¥600 |
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『算法少女』 遠藤寛子 ちくま学芸文庫 ¥945 |
| 「数学」が苦手な人でも大丈夫。楽しく読めます。もちろん、「数学」好き、「雑学」好きな方にもおすすめです。 世の中にあふれている、身近な数字が取り上げられています。 日常なにげなく使っている数字の中に、カラクリや歴史、仕組みがつまっているんです。知りたくないですか? 表紙のタイトルにもあるように「1週間はなぜ7日?」「煩悩はなぜ一〇八?」答えられますか。カップ麺の調理時間が3分になった訳。今、話題になっているインドの躍進のカギを握る「19×19」のク九九算。野球が9回で終わる訳など、気になるでしょ。その答えはこの本の中にあります。 さあ読んで、そして、さりげなくその雑学を誰かに話しましょう。 平出(本八幡店) |
安永四年(一七七五年)に刊行された和算書「算法少女」をモチーフとした少年少女向けの歴史小説です。 父、千葉桃三から算法の手ほどきを受けている町娘あきが主人公。ある日、観音さまに奉納された、算額に誤りを見つけ、つい声をあげてしまうのです。その出来事がきっかけに久留米藩主、有馬侯はあきを姫君の算法指南役にしようとします。上方算法に対抗心を燃やす関流の実力者藤田貞資があきと競わせるために関流を学ぶ娘を推薦。あきは騒動に巻き込まれてしまいます。 ただ、算法が好きで、学び広めたいと思っているあき。素直で優しい少女です。 江戸時代、和算が庶民に広まっていった様子や学ぶことが歓びであったことが伝わってきます。子供はもちろん、大人も楽しめます。 平出(本八幡店) |
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『はじめまして数学@ 自然数を追え,無限を?まえろ!』 吉田武 幻冬舎文庫 ¥600 |
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『偉大な数学者たち』 岩田義一 ちくま学芸文庫 ¥1050 |
| 入門書とはいっても、数学は難しそうだからとあきらめる前に、まずはこの本を開いてみましょう。パラパラとめくってみてください。なんともいえない愛嬌のある、たくさんのイラストたちが次々と出迎えてくれるはずです。数学への気後れが和らいだところで、少し読んでみようかなと本文に目を移すと、なんと全ての漢字にルビがふってあるではありませんか。まるで絵本のような文庫本なのです。さあ勉強するぞ!という気構えは入りません。著者もはじめに告げています。「今まで知らなかったことを知れば、ちょっと得した気持ちになる、友達に自慢できる、それで充分です」と。 まず1から$狽見直してみましょう。日頃何気なく使っている、ゼロや無限が不思議な存在に思えてきます。そして、素数という数が私たちの日常に意外な形で貢献していると知ってちょっと得した気持ちになる≠アとでしょう。 皆川(千城台店) |
アルキメデス、ニュートン、オイラー・・・どこかで聞いた覚えがあるかもしれない。彼らの名は、彼ら自身が発見した定理の名前や単位の名前となって、今もその偉業を讃えられている。しかしである。天才と呼ばれるべき彼らもまた、時代の中に生きた一人一人の人間であった。そこには数々のドラマが繰り広げられていたのである。 本書は古代から近世にかけての二十人の数学者の生涯が語られている。しかも、歴史の流れの中、数学者たちがお互いを意識し合う様子が鮮やかに描き出されているのだ。時には師として、時には友として、時には対立するライバルとして、世代を超え、数学という一つの絆で結ばれていく。数式の奥に隠された、先人たちの熱い想いを垣間見せてくれるこの本は、出版から五十年経った今でも、色褪せる事のないメッセージを私たちに伝えてくれているように思う。後世に語り継ぎたい一冊である。 皆川(千城台店) |